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 平成19年9月14日(金)
 北区議会第3回定例会においてのやまき直人の個人質問(全文と区の答弁)


やまき直人の代表質問
2007年9月14日, 日本共産党のやまき直人議員が行った個人質問の全文と区の答弁を紹介します。
  1. 区が現在検討中の公契約条例の制定を求めるもの

    【区の答弁】

  2. 公正な入札制度を求めるもの

    【区の答弁】

  3. 東京大気汚染公害訴訟の和解と今後の課題について

    【区の答弁】

  4. 滝野川六丁目にある東日本電信電話株式会社、通常NTT東日本と呼ばれていますが、この社宅跡地の利活用について

    【区の答弁】

  私は、 大きく4点 、花川区長に質問致します。
  最初の質問は、区が現在検討中の公契約条例の制定を求めるものです。
  北区議会では平成17年の第4回定例会で、公契約法・公契約条例に対する研究・検討機関の設置と北区発注公共工事における指導の徹底―いわゆる「函館方式」の導入を求める陳情を採択しています。2007年7月現在、「公契約法(条例)の制定を求める意見書」などを採択した自治体は、この運動を推進している全国建設労働組合総連合の調査で、488自治体となりました。
  日本での必要性はますます切実になってきています。
  そこで、質問致します。
最初の質問は 、 現在検討中の公契約条例の制定を急ぐこと です。その中に、第一に適正な賃金の確保、第二に下請け保護、第三に地元企業育成、第四に談合の防止などを盛り込むべきと考えますがご答弁ください。あわせて、どのような体制で、どのような調査・検討を行ってきたのか、制定に向けての課題はなにかを明らかにしてください。
  次に、導入までの間の当面の対策として、いくつかの自治体で取り組まれているような契約時の指導の強化を求めるものです。それは、「公共機関が受注会社との契約時に、労働条項に関する指導文書を付ける」手法です。典型的な事例として、私が先日視察してきました北海道函館市の「函館方式」があります。この文書は、平成13年に作られ、入札条件には含ませていませんが、入札後落札業者との契約時に「指導文書」として手渡されているほか、函館市の登録業者全てに年度当初に通知されています。
  その文書は、「適正な工事の施工を!ー工事、委託の施工上の留意事項ー」というタイトルで、土木部長など発注担当四部長の名前で出されています。全部で14項目ありますが、特筆すべきは、公共工事の積算について国土交通省と農林水産省が毎年示す積算のための労務単価を、当該年度の主要職種別に具体的に明示しています。発注者として当該公共工事を適正に施行し、優良な建物を造る上で、施行に携わる建設労働者に適正な賃金を支払って頂きたいという意志を示したものです。
二つ目 は、労働条件についての文書指導です。函館市は元請け企業に対し、賃金・労働時間・休日などを明確に記載した「労働条件通知書」を、下請孫請けにかかわらず全ての労働者に対し完全発行することを求めています。
三つ目 は、地元業者・労働者と地元資材の優先的使用を指導し、「建設資材の使用状況報告書」及び「工事用資材使用調書」の提出を義務付けています。
四つ目 は、「下請負人選定通知書」による下請け保護がとられていることです。この通知書は、2次下請け以下の下請にも提出が求められており、重層的な下請け関係がある場合でも、施行体制が的確に把握できるようにしています。また、下請代金の支払い方法についての記載欄があり、前払い、部分払い、完成払いの金額及びそれぞれの現金の割合、手形の場合はその手形の期間まで記載させるようになっています。さらに、注目されることは、函館市が独自に電話をかけて、下請代金の完納状況を確認していることです。
五つ目 は、建設業退職金共済制度に関する改善です。この制度では元請け業者が証紙を買って、現場で労働者の手帳に証紙が張られて初めて受給資格が確認されます。ややもすると元請け業者がこの証紙を労働者に渡さず、貼り付けが進んでいない例が見られます。函館市ではこうした事態を改善するために処理要領を作って、働いた人の数と証紙の発行状況を確認し、零細な下請の労働者にも確実に手帳に証紙が張られるよう指導が行われています。そして、「建退共証紙貼付実績書」の提出を求め、追跡調査などを通じて17・18年度は、100%の貼付が実施されています。
  以上が函館市における「函館方式」と呼ばれる指導内容の大まかな内容です。
  そこで、質問致します。
  こうした事例も参考に、北区が発注する公共調達において、労働条件確保、地元建設業の育成支援、不正の防止のための指導と支援の強化を求めるものです。お答えください。


【区の答弁】
 まず、公契約条例等のあり方につきましては、これまで、他の自治体等の検討状況を研究してきたところです。
区といたしましても、そうした検討を参考としながら、ご提案の項目も含め、研究してまいります。
  本来、私的自治として、契約て定めるべき項目について、条例でどこまで規制することが可能か、法律と条例との関係についてどのように考えるべきかなど判断の難しい問題が多くあると考えております。
  契約時における指導のあり方等の改善も含め、庁内検討会において、今後とも研究してまいります。

大きな 二つ目の質問は、公正な入札制度を求めるもの です。
  その 一つ目 の質問は、 王子小・王子桜中学校新築工事請負契約問題 についてです。
  この契約案件をめぐっては、先の第二回定例会において、企画総務委員会でこの議案が少数否決された上、議会の意見が大きく割れる中、本会議ではやっと成立するという区政史上初めての出来事となったことはご承知の通りです。

  この案件には数々の不可解な経過がありますが、特に問題なのは、北区が新潟市発注の下水道工事をめぐる談合事件の経過を知らなかったのだから、仮契約に問題はないとした点です。北区は6月1日フジタからこの談合事件の審決に係る説明の文書など2通の提出を受けました。それによると、フジタ自らが5月29日付けで、すなわち、入札日の2日前に「公正取引委員会より同意審決を受けまして、貴区にご心配をお掛けしておりますことをお詫び申し上げます。」と書かれています。つまり入札日の1ヶ月前に自ら罪を認めていたのです。その処分が29日明らかになったわけで、フジタがコンプライアンスを標榜するなら、5月31日の入札は自ら辞退すべきでありますし、北区も辞退を迫るべきでありました。ところが北区は、その事実をフジタの文書で知りながら、6月5日に仮契約を締結し、議会に議案を提出したのです。

  さらに不可解なことに、議決を受けた北区は、7月2日にフジタらJVと正式契約を締結しましたが、防衛施設庁の官製談合事件で排除措置命令と課徴金納付命令を受けたフジタをなんとその前日の1日から、3カ月の指名停止にしていたことが判明しました。区自ら指名停止処分を下した企業と翌日契約を取り交わすという異常な事態に、区民からは、なぜこんなにまでして談合業者をかばい続けるのかと、疑問の声が上がっています。

  そこで、以下2点について、区当局の猛省を促し、質問します。
1つ 、フジタとの仮契約はすべきでなかったと思うがどうか。
2つ 、指名停止業者と翌日正式契約を締結した区の姿勢を問うものです。
  明確なる答弁を求めます。

  公正な入札制度を求める 2つ目 の質問は、 総合評価方式の実施について です。
  総合評価方式とは、一般競争入札のように価格だけで落札者を決めるのではなく、落札基準に、1つ地元労働者の雇用、2つ災害発生時に地域を守る防災協定の締結、3つ地域の環境を守っているか、4つ障害者の法定雇用率、5つ社会保険などの労働者福祉、6つ「労務費水準」を守っているかなどの地域要件や福祉的雇用などを評価点として加え、総合的に評価するものです。
  そこで、質問します。
  価格競争だけの入札決定から、地元中小企業も参加できる総合評価方式の実施を求めます。お答え下さい。
3つ目 の質問は、 指名停止基準の強化と損害賠償額の引き上げについて です。
  (株)フジタの例を挙げるまでもなく、ゼネコン各社の「脱談合宣言」にもかかわらず、福島、和歌山、宮崎三県の談合や名古屋市地下鉄等々の談合の種は尽きません。
  このような中で、最近では全国知事会公共調達プロジェクトチーム報告「都道府県の公共調達改革に関する指針(緊急報告)」が出されました。この報告は「談合防止の入札制度の改革」の中で、ペナルティの強化として、違法・不法行為には12カ月以上3年間までの入札参加停止、違約金特約を契約額の20%以上になどの提起をしています。つまり罰則を強め、企業への組織罰及び実行者個人処罰を厳しくし、行政罰の損害賠償を増額すべきとの内容です。

  ところが、北区の指名停止基準では、未だ、贈賄や社会的信用失墜行為などで、その企業の役員や社員が逮捕もしくは起訴されたり、公正取引委員会から課徴金を課されない限り指名停止にはならないという、大変緩やかな基準となっています。

  そこで、質問致します。
  北区における指名停止基準の強化と損害賠償額の引き上げをすべきと思うがどうか。
  答弁を求めます。

四つ目 の質問は、 電子入札の実施について です。
  現在、国土交通省をはじめ一部の自治体で電子入札が導入され、国交省が策定したアクションプログラムでは、目安として2010年度には全市町村で電子入札の運用を完了したいとしています。
  しかし、電子入札の問題点として、大きく二つの問題点が指摘されています。その第一は、一つの案件について約1カ月程度をかけてパソコンでやりとりを行うため、拘束日数の増加で入札要員の確保が必要になる。二つ目は、二通りのシステムがあり、それぞれのシステムに対応した、パソコンと、電子認証カードが必要となり、設備投資の増加や対応する複数の職場組織が必要になります。つまり、日常的な情報の入手、インフラの整備、担当者の教育、社内体制の構築など中小企業には、技術や環境面で大きな負担となることが予想され、慎重な対応が求められます。
  このことを考慮して、以下二点、質問します。
  一つ、当面は大規模工事など、高額な契約案件からの導入をすること。
  二つ、中小・零細企業が参加できる工事においては、閉め出されることがないよう、郵便入札と併用するなど十分な配慮をすること。
  以上、二点、お答えください。


【区の答弁】
 1−(1)(2)
  次に、王子小学校及び王子桜中学校新築工事請負契約に関するご質問です。
仮契約を行うに当たっては、従来通りの手続きに則り、事情聴取を行ったうえで、仮契約を締結させていただいたものです。
  次に、指名停止と契約締結の期日についてですが、本契約議案について、議決をいただきましたのは、第2回定例会の最終日である」6月29日の金曜日です。
  区といたしましては、議決後直ちに、正式契約の締結及び、防衛施設庁の談合事件に係る指名停止の実施を決定いたしました。
  しかしながら、正式契約は、営業日である週明けの月曜日とならざるを得なかったのに対し、指名停止は区内部の手続きで完結することが可能なため、結果的に、ご指摘のような経過となったものです。

2.続きまして、総合評価方式につきましては、価格だけでなく技術力など様々な要素により契約の相手方を選定する優れた方式であると理解しておりますが、具体的に導入するに当たっては、検討すべき点も多々あります。
  他の自治体の例も参考としながらさらに研究を深めてまいりたいと考えております。

3.次に、指名停止基準につきましては、既に、国や他の自治体における指名停止期間の規定などを参考に改訂作業に取り組んでいるところです。
  また、損害賠償額の引き上げにつきましては、今後、既に引き上げを行った自治体での効果も見ながら、必要性について検討してまいります。

4−(1)(2) 
  契約等に関する最後のご質問は、電子入札についてです。
電子入札の実施につきましては、試行の内容について、今定例会の所管委員会においてご報告させていただきます。
  次に、中・小零細企業が閉め出されないための配慮につきましては、昨年「工事関係の区内の業界を対象にテストを行ったところ、パソコンなど電子入札を行う最低限の環境は整っていましたが、今後、電子入札を物品等まで拡大した場合は、零細な個人商店なども対象となってまいりますので、これから行う試行の結果を踏まえ、対策を検討してまいります。

大きな 三つ目の質問は、東京大気汚染公害訴訟の和解と今後の課題について です。

  8月8日、提訴から11年、東京の喘息患者らが国と都、当時の首都高速道路公団、自動車メーカー7社を訴えた東京大気汚染公害訴訟で、和解が成立しました。私も20年以上にわたり高速道路王子線の環境対策に関わった者として、わがことのようにこの和解をうれしく受け止めました。

  その内容は、(1)東京都に喘息医療費の救済制度を創設させ、(2)国や東京都に新たな公害対策を約束させ、(3)トヨタをはじめとする被告メーカーらに初めて公害の発生責任を前提とした解決金を支払わせるという画期的な和解となっています。

  今回合意された救済制度は、20万人ともいわれる都内に居住する全ての気管支喘息患者に対し、その医療費の個人負担分を全額助成するものです。但し、この制度については5年後に見直しをするとされ、慢性気管支炎や肺気腫の公害患者はその適用が除外されるなど、大きな制約が伴っています。

  言うまでもなく、自動車排ガスによる健康被害は、東京都だけのことではありません。大都市圏を中心に、日本中に広がっています。その救済は、地方自治体任せではできません。医療費とともに、障害補償費等の給付を含む抜本的な患者救済制度を国の責任で実現することが、今後の課題となります。

  今回の和解のもう1つの大きな成果は、浮遊粒子状物質SPMよりもさらに毒性が強いと言われる微少粒子状物質、即ちPM2・5の測定を全国ですすめ、新たな環境基準設置を検討するなどを国、都に約束させたことです。PM2・5の環境基準が設定されれば、我が国における環境行政は改めて全面的な見直しが迫られることになるでしょう。

  そこで、以下 4点 質問致します。
1つ 、区として今回の和解内容をどのように評価しているのか。 
2つ 、慢性気管支炎、肺気腫の公害患者も救済対象とするよう国や都に働きかけること。
3つ 、5年間に限定せず、全国規模の医療費助成制度の実現とPM2・5の環境基準設定を国に求めること。
4つ 来年3月に運行が予定されているコミュニティバス導入に際し、無・低公害車の採用をすること。
  以上4点、答弁を求めます。


【区の答弁】
 (1) 次に、東京大気汚染公害訴訟の和解についてのご質問です。
  最初に、この和解につきましては、訴訟で長年争われてきたことが、全当事者の合意ということで解決したものであり、関係者のご努力に心より敬意を表したいと存じます。

(2) 次に、医療費助成制度の対象疾病とされるには、自動車排気ガスとの因果関係があることが前提になります。
  この裁判の平成14年の東京地方裁判所判決で、気管支喘息だけが因果関係を認められています。

(3) 次に、医療費助成制度は5年経過した時点で検証して、見直しを実施するとなっていますので、今後の推移を見守ってまいります。
  また、今回和解が成立したことによる、国全体の医療費助成制度や、環境基準の設定などの対応につきましては、今後、国の動向を注視してまいりたいと考えます。
  なお、PM2・5(ぴーえむにてんご)の環境基準設定については、環境省が、平成19年5月に設置した微小粒子状物質健康影響評価委員会において専門的な検討を進め、その検討結果を踏まえ、環境基準の設定も含めて対応を検討すると聞いております。

(4)次に、コミュニティパスの車両仕様についてお答えいたします。
  今年度、実施を予定しているコミュニティパスのモデル運行におきましては、環境にやさしい車両の導入を、バス事業者と協議してまいります。

大きな四つ目の質問は、滝野川6丁目にある東日本電信電話株式会社、通常NTT東日本と呼ばれていますが、この社宅跡地の利活用についてです。

  この社宅は平成19年3月末日で閉鎖されました。敷地面積は約8,950uの広さがあり、社宅の高さは4階建てで、滝野川第二小学校と滝野川西区民センターに隣接し、中山道に面しています。この跡地の利活用計画については、所有者であるNTT東日本が三菱UFJ信託銀行とコンサルタント契約を結び、今後の利活用計画の調査を委託し、現在大手民間開発会社からの提案を募っていると聞いています。

  近隣住民の皆さんは、3月末にこの社宅が閉鎖されてから、この跡地が商業地域であるため、隣接する学校や区民施設、そして近隣住民の住環境を破壊する高層マンションや大型複合商業施設などが建設されるのではないかと心配しています。このため、7月には近隣住民の有志で「NTT社宅跡地の利用を考える会」を結成し、住民アンケートの実施、住民懇談会の開催や北区への跡地利用に関する要望などを行い、住民のくらしと健康、安全なまちづくりに役立つ利活用計画を望んでいます。また、同様の要望が地元自治会からも出されています。

  滝野川6丁目は木造住宅が密集し、道路も狭く公園が一つもなく、防災上大変危険な地域です。この跡地に隣接する滝野川西区民センターも敷地一杯に建設されているため、土地に余裕がなく、いつも中山道に面した歩道上に施設利用者の自転車が放置されています。
  この地域にとって、8,950uもの敷地面積をもつ土地は2度と得難い貴重な物件です。 そこで、以下2点質問致します。区長の誠意ある答弁を求めます。
  1つ、区の先買い制度で、土地の一部を防災緑地公園、駐輪場などに整備すること
  2つ、近隣住民の要望が実現できるよう、NTT東日本に利活用を働きかけよ
  以上で私の質問を終わります。ご静聴ありがとうございました。


区の答弁
(1)(2)
  最後に、NTT東日本宿舎跡地についてお答えします。
  滝野川6丁目のNTT東日本宿舎は今年の3月で廃止になり、NTTからは、跡地利用について現在検討中である、と伺っております。
  区といたしましては、隣地に滝野川西区民センターがあり、施設として駐輪場が不足していることから、駐輪場等として一部利用したい旨、申し入れております。
  また、民間の土地ではありますが、周辺土地利用状況、地域の特色、都市計画上の位置つけなどをお話しするとともに、地域の皆さまの理解が得られるような土地利用を検討してもらいたい旨、要望しております。
  今後も地域の皆さまの要望を伝えていくとともに、居住環境整備指導要綱等により、適切な指導をしてまいります。
   

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