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私は、日本共産党北区議員団を代表して、只今上程されました日程第1、平成14年度東京都北区一般会計決算、並びに同国民健康保険事業会計決算、老人保健会計歳入歳出決算について、いずれも反対の立場から討論を行います。
小泉内閣が発足して1年が経過したこの年は、引き続く不況とデフレスパイラルの進行、大企業のリストラによって、失業率は過去最大の水準にありました。また、企業倒産も相次ぐなど、国民の暮らしは最悪の状態になっていました。
このように国民が生活苦に喘いでいる中、国会ではムネオ疑惑や加藤マネーによる外交、経済のゆがみや、政官財の醜い癒着が明るみに出ました。これらの疑惑の徹底解明と再発防止のため、少なくとも企業・団体献金の禁止が強く求められているところであります。
ところが、小泉内閣は、疑惑解明には手を付けず、構造改革推進として一方的に痛み、我慢を国民に押しつけ、財界には至れり尽くせりの政治を続けてきました。その一つ目は、不良債権の早期最終処理の名のもとに、中小零細業者をつぶし、地域金融を支えている信金、信組を手段を選ばず強制的に破綻させてきたことです。その一方で、大企業や大手銀行には手厚い支援を一貫して続けているのも周知の事実です。
痛み押しつけの二つ目は、4月から、健康保険本人の医療機関窓口自己負担を3割に引き上げ、10月からは老人医療費の1割負担の導入などの改悪に始まり、高齢者マル優の廃止、中小企業予算のさらなる削減、日本育英会奨学金の無利子貸与枠の大幅削減などです。これらは庶民の暮らしと営業を破壊し、景気と経済をさらに悪化させるもの以外の何ものでもありません。
三つ目は、憲法に違反する有事法制の強行です。国民の基本的人権を侵害し、地方自治体にも動員を強制するこの有事法制は、日本を戦争への道に引きずり込むもので断じて許せません。
このように、小泉内閣は、あらゆる問題で国政を担う資格を完全に失っており、国民にとっては耐え難い年でありました。
加えて、石原都政の新年度予算も、今日の財政危機を一層深くした大型公共事業中心の都市再生に重点的に予算が配分され、福祉や教育などの切実な都民要求には冷たいものでした。
こうした中で、日本共産党北区議員団は、区民の生活を脅かす国、都の諸施策や諸計画に対して、その撤回や方向転換を強く求めるとともに、区内諸団体との懇談を重ねて、緊急かつ不可欠な146項目の重点にまとめた予算要望書を提出し、その実現を求めてまいりました。
この結果、精神障害者地域生活支援センターの整備、不況対策融資全額利子補給の復活などは評価するものです。
しかし、こうした評価すべき施策はあるものの、以下に、大きく5点にわたる問題を指摘し、一般会計決算認定に反対するものです。
その第一の理由は、先に述べた小泉内閣や石原都政による社会保障の後退、地方自治体への自治権・財政権の圧迫に毅然と対処せず、これを容認する北区の姿勢に大きな問題があることです。
その一つ目は、小泉内閣の相次ぐ医療制度改正への追随です。今回の医療制度後退は、国の医療への責任逃れと住民負担押し付けを本質とするもので、国民健康保険会計へ重大な影響を及ぼし、区民の暮らしと命に関わるもので、医療改革とは到底認められません。北区議会は平成14年3月、全国に先駆けて医療制度改革に関する意見書を提出しました。にもかかわらず、区長は国に一言も意見を言いませんでした。
さらに、平和を脅かし、職員が動員されかねない有事法制への態度も認められません。こうした姿勢のもとで、決算説明書から平和に関する記述一切が消え去りました。加えて、平和都市宣言記念事業費は平成7年度の15分の1、2百万円台に減らされるなど、散々な目にあっています。このことが北区の基本的な姿勢となってはなりません。この際、来年日中国交30周年を迎えるにあたって、不戦と平和を誓い飛鳥山公園に建立された平和の女神像の記念式典は日中両国の関係者をお呼びするなど、盛大に行われるよう求めるものです。
あわせて、石原都政の福祉削減や都区財政調整等を通じた区財政圧迫を容認し、都に先駆けて事業を削減する姿勢も認められません。特に、東京都は来年実施をめざして、第二次財政再建推進プランを打ち出そうとしています。これは、「財政再建は道半ば」と称して、この際、都の補助金を根こそぎ削ろうというものです。もしこんなことになれば、都民の福祉は大幅に削られ、自治体財政への影響もはかりしれません。推移を見守るなどと言わずに、何としても提案実施させないために、区長は直ちに行動を取るべきです。
決算に反対する大きな第二の理由は、福祉、健康など、区民サービスを一層削減しながら、ひたすら積み立てを急ぐ行革推進の姿勢です。
平成11年度の北区役所活性化計画による一般財源九億円の縮小に始まり、12年度北区緊急財政対策で30億円が削減されました。さらに、13年度予算では、北区区政改革プランで20億円と、3年間で累計110億円もの事業や人員が削られました。それに加えて、14年度も区政改革プランの2年目として、14億円余りの区民サービスや、それに関わる人件費を削減しました。
主だった削減事業をあげますと、まず総務費では、区民保養所はこね荘管理費の見直し、北とぴあ科学館のプラネタリウムの休館など3事業。
福祉費では、老人福祉手当の縮小、高齢者福祉電話事業の削減、福祉タクシーと心身障害者自動車燃料費の所得制限導入、出産祝品贈呈事業の廃止、生保要保護世帯への入浴券の廃止など11事業。
衛生費では、区民健康診査費の縮小など3事業。
土木費では、3世代住宅建設促進事業費の補助見直しなど2事業。
教育費では、小中学校の卒業アルバム保護者負担軽減費の廃止、小学校夏季施設及び校外連合行事費の縮小など六事業。
これら合わせて29事業、14億円余りにもなります。
このように、高齢者や障害者をはじめ、低所得階層の生活を直撃し、多くの区民を対象とした経済給付的施策や住民サービスなどを軒並み廃止縮小したことは断じて認められません。
もう一つの行革は、区職員の果てしない削減です。民間委託を進めた上、14年度も原則退職不補充に加え、非常勤職員の雇い止めなど、区が独自にできる雇用にも冷淡だったことです。雇用の拡大が強く求められている今日、保育や教育、介護保険や生活保護など、区民にとって必要な部署には十分な職員配置をすべきです。
ところが、こうした事業や人員の削減の一方で、北区の基金は膨らむばかりです。かって、緊急財政対策などで42億円まで減ってしまうと繰り返し言われた区の四基金は、学校改築基金と合わせ、当初予算を30億円も上回る150億円にも達したことです。
日本共産党北区議員団は、基金が積み立てのための積み立てであってはならぬ事、適切に取り崩して区民サービスに回すよう、求め続けてきました。そしてこの主張に根拠があったことは花川区長のもとで、例えば、一つに、年度途中で8億円の人件費不要額をきちんと計上して補正にまわしたり、二つに、基金30億円の取り崩しによって、子ども医療費助成や浮間の特別養護老人ホーム・保育園用地の取得などが実現したことに現れています。
この際、改めて各種施策の廃止縮小を元に戻すこと、及び区民の痛みに答える施策への活用を強く求めるものです。合わせて、NPM即ち、新公共経営の名によって、これまでの施策切り捨てがさらにひどくならぬよう、強く求めるものです。
決算に対する大きな第三の反対理由は、北区が、少子高齢化に的確に対応していくため、「子ども」「元気」「協働」をキーワードとして、「子ども」・かがやき戦略、「元気」・いきいき戦略、「協働」・ときめき戦略という3つの重点戦略を華々しく謳い上げながら、肝心の施策に重大な穴が空いていることです。つまり、区の掲げる看板と実態とのギャップがあることです。こうした掛け声だけでは、区民の命と健康は守れるものではありません。事態は深刻になる一方です。
まず、「子ども」・かがやき戦略についてです。子育て支援といいながら、その中身はもっぱらソフト面や精神面に限られ、ファミリー層定住化の要である住宅対策は、見る影もなくなりました。決算説明書に堂々と記述された住宅対策は、7年前も前の事を針小棒大に述べているに過ぎません。区外への流出層は子育て世代が最大です。区民住宅などファミリー層への対策は先送りし、民間事業者まかせの姿勢は改めるべきです。
また、「元気」・いきいき戦略でも、区民の健康を守る区民検診を行革したり、医療制度改正によって、在宅での酸素吸入を我慢せざるを得なくなった患者さんに「極端な例です。」などと答弁するようでは、これもまた、区民の痛みの実態を見ようとしない看板倒れと言うべきです。
さらに、「協働」・ときめき戦略は、この1年あまりで「花とみどり」に取って代わられました。しかし、これも例えば、女性センターの移設や赤羽保健センターと在宅介護支援センターの移設に際し、利用者からは私たちの声を充分聞いてくださいと、まちかどトークで繰り返し指摘されるなど、「協働」自体まだまだ定着したものとは言えません。花川区長のもと、今後、区民との協働は全ての施策に共通するものと位置づけられましたが、この協働がNPOやボランティアへの仕事の押し付けであってはなりません。
そこで、区が3つの重点戦略を本気で推進するのであれば、以下8点にわたって指摘いたします。
第一は、来年度から実施予定の子ども医療費助成制度を小学校6年生まで通院を含め拡大し、速やかに中学生まで対象を広げること。
第二は、区の財源で30人以下学級を全校で実施すべきです。さしあたり、新1年生を対象に一刻も早く踏み出すべきです。また、普通教室へのクーラー設置も直ちに行うべきです。
第三は、「元気」・いきいき戦略をいうのなら、20歳からの区民検診の復活と医療機関委託で、個別検診を拡大すべきです。
第四は、ファミリー層の定着のためにも、区民住宅などの住宅対策の抜本的な強化です。
第五は、痴呆性高齢者をはじめとして、精神障害者などのグループホームを拡充すべきです。
第六は、住宅リフォーム制度の実施です。
第七は、保育、教育、介護など区独自の雇用対策を実施すべきです。
第八は、区民との協働を実現するためにも、各地域から要望が出ているコミュニティバスの運行を早期に実施することです。
次に、大きな第四の反対理由は、まちづくりに対する区当局の姿勢です。
その第一は、高速道路王子線の環境対策や街路整備について、住民の環境を守りきろうとしない区の姿勢です。
昨年12月25日に高速道路王子線が供用開始されました。開通を急ぐ余り、供用のその日から、予想されたことではありますが、王子線沿線の堀船や滝野川の各地域で騒音・振動の被害が多発し、所管の委員会にも沿線住民から陳情・請願が提出されました。この原因は、首都高速道路公団が自らの都合のもと、無理な日程で供用開始を急いだためであり、構造上の欠陥道路と言うべきであります。このため、堀船の排気塔出口では、騒音と振動で沿道の住民は夜も満足に眠れない状態が続いています。また、今年に入って測定された騒音・振動の結果では、西巣鴨交差点付近の滝野川5丁目に建っている民間ビルで、騒音が3地点、四回の測定で、環境基準オーバーが1回、環境基準値と同じ数値が1回、環境基準すれすれが1回となっています。いずれも耐え難い騒音が、王子線から発生しているのです。
このような住民の健康被害を考えたとき、環境対策を首都高速道路公団任せにせず、区独自の大気汚染調査やアセスメントを実施すべきです。しかし、区当局は溝田橋に計画されている王子第1ランプの完成予定とされている平成18年度、実際には20年度にずれ込むと言われていますが、このときに王子線が完成し、事後アセスメントを実施すると言う公団の言い分を鵜呑みにしています。これでは事後アセスが今から5年後になってしまい、供用開始後速やかに実施するという事前アセスとの整合性が失われ、住民に対する適切な環境対策が後手に回ってしまいます。
もともと、公団は、王子線の計画段階で例えば、大気汚染についてすでに窒素酸化物の値が環境基準ギリギリなのに、高速道路が通れば空気がきれいになるかのような数字合わせ、これを私たちは環境あわせメントと批判しましたが、区はこれを容認し、今また、完成後の事後アセスメントさえも公団と一緒になって引き延ばすというのは、二重に不当であります。さらに、有料部分の王子線の開通を優先し、王子線沿道の歩道整備を放置してきた公団の姿勢を容認する公団任せの姿勢とも合わせ、住民不在の区当局の姿勢は認められません。
その第二は、堀船における日本最大規模の新聞印刷工場、いわゆるK21プロジェクトに対する北区の姿勢です。
堀船新聞印刷関連事業は、今年8月から日刊スポーツが本格操業を開始し、新聞発送のトラックが昼夜運行を始めました。本年11月の読売新聞操業後と比較すれば、現在の配送車両は半分以下ですが、8月7日深夜から8日の早朝にかけて行った住民の測定では、新聞工場の出入り口では環境基準を超えるデータも計測されています。今後、本格的な操業が開始され、夜中中トラックが走り回る状態では、沿道の住民が心配をされている事態が起きかねません。区独自の騒音・振動測定調査をせず、事業者の調査に任せている姿勢は、事業者言いなりで住民の方に顔を向けず、企業一辺倒の姿勢は認められません。
大きな第五の反対理由は教育行政についてです。
その一つ目は、各地で大きな流れになろうとしている30人以下学級実現への消極的姿勢です。
不登校が過去最高を記録し、学級崩壊やいじめも深刻さを増すばかりで、一向に解決の兆しが見えない今日、行き届いた教育を求める声、とりわけ30人以下学級を求める声と運動は全国的に広がっています。
このような保護者や教師の願いに、教育委員会は、東京都に対する30人以下学級の要望さえためらうに至りました。今こそ積極的に30人以下学級の実現を目指すべきであります。
二つ目は、旧松沢家の古民家移築問題です。
この古民家移築については、文化財提案への経過や、移設場所、更に、全て補正予算に計上する財政手法などから賛成できません。
以上五点にわたる問題を指摘して、日本共産党北区議員団は平成14年度北区一般会計の決算認定に反対をいたします。
次に、国民健康保険会計については、実質的な保険料値上げのため、老人保健会計は、10月からの制度改悪によりいずれも反対します。
他の三特別会計については、これに賛成するものですが、介護保険事業会計につきましては、保険料の減額制度に持ち家の人も含むなど、改善を強く求めるものです。
以上をもって私の討論を終わらせていただきます。ご静聴ありがとうございました。
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