「ほぇ!(トーキョーローズはないだろ、の意)」


「真乃緒でーす」


「思うんだけどさ、上の2行っていらないよね」


「まぁ、そう言わない。クセみたいなもんだ」


「今日のバンド紹介は『RIOT』です。はい、真乃緒ちゃん、ここで一句」


「えー、『らいおっと 努力実らぬ 良き夫』」


「うまい! 山田くーん、まのさんを座布団でくるんで海に捨ててきてー」


「なんだよそれ!」


「いやもうね、『RIOT』ファンとしては非常に腹が立ってね」


「あんたが言えっていったんじゃないか、恥ずかしいなー」


「『もた法』なら死刑だからね、メタル侮辱罪は」


「なんだそれ、どんな法律だ」


「行政、立法、司法、もた法で四権分立! 学校で習ったでしょ!」


「習ってないよ」


「き、聞きました!? モンテスキューさん!」


「知り合いみたいな言い方するな」


「懐かしいなぁ、産業革命」


「あたしたち生まれてないよ!」


「ルソーは元気かなぁ」


「しつこいなー、バンド紹介しなよ」


「はいはい。アメリカで1番不幸なメタルバンド、それが『RIOT』。金銭トラブル、
メンバーチェンジ、レーベルからの解雇、と七代祟られてるんじゃないかって
ぐらいの下り坂。同時期にデビューしたヴァン・ヘイレンと比べると、あまりにも
悲惨な人たち」


「ほー、大変だなぁ」


「それでも執念深くアルバムを出し続けて早や二十余年、いまやダサかっこいいメ
タルの帝王とも言える存在に」


「おー、すごいじゃないか」


「まぁ、そんなジャンルやってるのは『RIOT』ぐらいだけどね」


「なーんだ。で、おすすめは?」


「『riot live』かな。ライヴ盤だけどね」


「ふんふん」


「初心者は『inishmore』が良いと思う。メロディ豊富でわかりやすいし」


「あたしはわかりやすいのがいいな」


「わかりやすい音楽って、すぐに飽きるよ」


「そうかなぁ・・・? そんなことないんじゃない?」


「もた子はすぐに飽きちゃうかな。っていうか・・・」


「うん」


「メロディしか取り得が無いバンドに興味ないし。いや、『inishmore』がそうだとは
言ってないけどさ」


「じゃ、なんのバンドのことを言ってるんだ?」


「それはね、ちょっと待って・・・あ、いたいた」


「?」


「おーい、ちょっと、きみ、そう、そこの、校庭のド真ん中でUFO呼ぼうとしてるアフォ
そうなきみ。そうだよお前だよ、早く来いよ!」


「ななななんですかー、どうして怒ってるんですかー」


「うりゃっ!(ゴツン)」


「ぎー、ぶったー! 真乃緒ちゃん、もた子ちゃんがぶったよー!」


「こら、莱穂をいじめるな!」


「帰れ! 早く帰れ!」


「じ、自分が呼んだくせにー」


「用が済んだんだから、帰れ! 母さん、ソルトだ! ソルト持ってこい、ソルト! 
あとコルトも! コルトガバメント!」


「なにがコルトだ!(ゴツン)」


「銭形っ!」


「うぇーん、もた子ちゃんの家にUFO呼んでやるんだからー。アブダクションされちゃ
うんだからー」


「帰れ、帰れ!」


「どうして急に莱穂を殴ったりしたんだ! 答えろ、もた子」


「え? いやだから、嫌いなバンドだからさ」


「?」


「わかる人だけわかればいいよ」


「なんだよ、それ」


「とにかく、メロディしかないバンドはダメなのよ。『inishmore』はメロディだけじゃな
いから、『RIOT』は良いバンドなの」


「それを言うために、わざわざ莱穂を殴ったのか」


「そうでぇす」


「口で言えばいいじゃないか」


「く、口ですればいいじゃないかって、お前はアレか、身体だけか!」


「なに?」


「いや別に・・・。だって口で言ったら、そのバンドのファンにカドが立つでしょ。ファン
多そうだし・・・高校生とかにね!」


「いや、カド立てる気マンマンじゃないか」


「そんなことないですよ・・・かっこいいですよ・・・あの某デブからの影響を受けまく
ったギターが特に」


「だれだ、某デブって」


「メタルファンならすぐにわかる、あの人」


「『RIOT』の話はもういいのか?」


「あぁ、そか。メタル問答のコーナー! 真乃緒ちゃん、『RIOT』とかけまして」


「えぁ? えーと、うーん、『RIOT』とかけまして、『ドラクエ3』と解きます」


「そのこころは?」


「どちらも『戦士(ウォリアー)』は外せません」


「モンテスキューさーん、真乃緒ちゃんを断頭台にかけてあげてー!」


「お前が言えって言ったんだろ・・・え、なに、うで引っ張らないで・・・って
だれだー!? え、うそ、あなたモンテスキューさん?」


「それでは本日の『鋼点』、ここでお開きにしたいと思います」


「待て、もた子! おい、なんだ、あれ、断頭台か! 斧持ってるのダレだ!
ルソーか! ヒゲ生えてるの、あれルソーか!」


「ありがとうございましたー」