「ほぇ!(ベースをかまえつつリフティングをしながらこんにちは、の意)」


「あなた・・・・なにやってるの?」


「あ、デコ!」


「デコじゃない!」


「なにやってるって、今日は『IRONMAIDEN』の紹介だからさ」


「ベーシストのスティーブ・ハリスがサッカー好きなことと、かけてるわけね」


「そうそう、デコにしちゃ理解がはやいね」


「名前で呼びなさい! デコデコって、失礼な娘ね!」


「ほぇ、なに言ってんのよ! そういうあんたこそデータイースト(通称DECO)に失
礼よ! ドナルドランドやって出直して来なさいよね!」


「ぐぐぐ・・・」


グリマス?


「うるさい!」


「もた子はここで真乃緒ちゃん待つのに忙しいんだから、いばるはどっか行ってよ」


「言われなくてそのつもりだわ! あなたみたいなのと一緒にいたら、それこそこち
らの品性を疑われるものね!」


「なんだとこの・・・あ、真乃緒ちゃーん、こっちこっちぃ。んも〜う、遅いんだから〜。
こんど遅刻したら、ドリル or DIEだぞ〜なんちてなんちて〜」


「あ、二人一緒だなんて珍しいね。でもちょうどいいや、あたしはこれから海と一緒
に買い物に行かなきゃいけないからさ、ごめん、今日はこれで。じゃ、いばる、もた
子をよろしくね」


「あ、ちょっと、『よろしく』って」


「まままま真乃緒ちゃーん?」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


「なによ、その目は・・・」


「あんたのせいだ・・・」


「な、なにがよ!?」


「あんたが側にいたから、真乃緒ちゃんが行っちゃったんじゃない!」


「責任転嫁もいいところね! だいたい、あなた真乃緒さんに嫌われてるんじゃな
いの?」


「なななななにをー! もた子と真乃緒ちゃんは幼馴染だっつーの! お前のほう
こそ真乃緒ちゃんとどういう関係なんだっつーの! 母ちゃん、暴力反対だっつ
ーの!



「わたしの家は、昔から真乃緒さんのお宅から野菜や果物を買ってるの! 直接
的な交流はこの学校に入ってからだけどね!」


「ほぇ、もた子と真乃緒ちゃんの友情に金で入り込むなんて、どこまでもブルジョア
ジーって汚いね! たすけてスターリン!


「人聞きの悪いことを言わないでくれる?」


「もういい! バンド紹介一人でやる! ひとりでできるもん!(18禁)


「勝手にすれば!」


「ふんだ、勝手にやるよーだ! えーと、『IRONMAIDEN』は80年に結成した
ヘヴィメタルバンドで、記念すべきファーストアルバム『iron maiden』でデビュー
したのね。当時のヴォーカリストが、えーと、えーっと」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


「うんと、ヴォーカル・・・・えっと、あのね・・・んと・・・」


「ポール・ディアノ」


「そうそう、ポール・ディアノだったの。このファーストアルバムから、ハリスの疾走
するベース+ツインギターの『IRONMAIDEN基本サウンド』をできあがってたのね。
そして、アルバム3枚目にして、ヴォーカルがポール・ディアノから、ブルース・ボッ
ンソンに・・・」


「ディッキンソン!!」


「ディッキンソンに変わるの。この後、ブルースは『IRONMAIDEN』の名ヴォーカリス
トとして、しばらくのあいだ、活動するのね。で、そのまま『IRONMAIDEN』はヘヴィ
メタルの王者として君臨し続けるんだけど、事件は10枚目のアルバムに起きた
の」


「ブレイズ・ベイリー」


「知ってるよ、うるさいな。ヴォーカリストが、ブルースからブレイズにチェンジ。その
あまりのひどさに、ファンは落胆。でも、12枚目にしてブルース・ボッ


「ディッキンソン!!」


「ディッキソン復活。7枚目に脱退していたエイドリアン・スミスも帰ってきて、脅威
のトリプルギターバンドになってるよ。大まかな説明はこんなところかな」


「まったく・・・その程度でよくもバンド紹介が勤まるわね」


「あれ? なんでいるの?」


「なんですって? だれがあなたに助け舟を出してあげたと思ってるの!」


「神様」


「あら、あなたの目にはわたしが女神のようにうつってるの。憎たらしい娘だけど、
かわいいところもあるじゃない?」


「ほぇ、おまえの光るデコが後光のように輝いて眩しいから、とっとと天国でも地獄
にでも帰れ!」


「なっ、帰れですって!? あなた一体何様のつもり!?」


とんでもない、あたしゃ神様だよ


「?」


「ナチュラルでわかんないか・・・」


「まったく、こんなことなら助けるんじゃなかったわ!」


「・・・・・・・・・あ、ありがとね!」


「え・・・??」


「も、もた子は、素直じゃないから・・・あんまり人に対して、思ったことを正直に言え
ないけど・・・」


「あなた・・・」


「うわーん、いばるー!!(抱きつき!)」


「もた子・・・・!」


「(ドスッ、ドスッ!)」


「ぐ、ぐふっ!」


「ブァッハッハッハ、キックボクサーマモル直伝のもた子の膝蹴り、さぞ苦しかろ
うて」


「ぐぐぐぐ・・・・この・・・」


「だいたい、『IRONMAIDENつったらポール・ディアノだろ』の純潔ポール派、もた子
ちゃんが名前忘れると思ってんの?」


「ポール派・・・・!」


「どうせ、いばるはブルース派だろー? それとも、絶対少数派として環境保護団
体に協力要請がいってるブレイズ派かぁ?」


「ふふ・・・まさかあなたがポール派だったとはね・・・。相手にとって、不足はない
わ!」


環境でブルース派になっただと? ちがうね!! こいつは生まれついて
のブルース派だッ!



「相手がポール派とわかった以上、この華弐いばる、容赦せん!



果たして、勝利はどちらの手に!? 以下、次号!



「ほぇ、次号、ない、ない」


「なんなのよ、もう」