「リクエストにお答えして、リヴァプールの残虐王こと『CARCASS』ですな」


「プロレスラーみたいなあだ名だな」


「とりあえず、もた子が語る『CARCASS』ったら3rdアルバムまでね」


「なんで?」


「4thアルバムからメロデスになるから」


「ダメなのか」


「ダメダメダメダメダメ、ダメッダメッダメッダメッダメッ! 『heartwork』? 
『swansong』? 『CARCASS』はそんなの出してないよ」


「出してるだろ」


「出してないよ」


「出してるよ、ほら、4th『heartwork』、5th『swansong』って」


「だしてないよぉ〜」


「子供になるな」


「アモットが加入したのは3rdからだけど、3rdはいい。4thと5thも好きな曲はある
んだ。でもアモット大っ嫌いだから好きって言いたくない。アモット大っ嫌い、嫌い
なギタリストナンバーワン。嫌い通り越して憎いね」


「憎いとまで言うかぁ」


「『CARCASS』をダメにした男だしね」


「初期はメロデスじゃなかったの?」


「ぜぇんぜん違うね。グラインドバキバキだよぉ、カッ・・・コ・・イイ・・・」


「グラインドって、あたしはぜんぜんわかんない。まさに未知の領域」


「3rdはまだデスメタルだったねぇ。グラインド色が薄れちゃったけど、それはそれで特に気にならなかったな。グラインドマニアの人たちはホントにアモット加入後は全否定のスタンスだけど、もた子は3rdまでは聞ける」


「4thからは・・・」


「いや、4thもなにも『CARCASS』は3rd出したあと解散したから。脳内設定では」


「そんな否定のしかたするな」


「だいたいなに、『ハートワーク』って。こないだまで『餓鬼は死産児を貪り食う』って言ってたバンドが、なに『スワンソング』って。バンドの空気読めと。お前ら『内臓大爆発』とかやってたバンドと違うのかと。『屍体で花を咲かせましょう』じゃなかったのかと」


「内臓大爆発はスゴいなぁ」


「『硫酸どろどろなんでも溶かす』なんて言ってたのに」


「知能の低い邦題だなぁ」


「この曲は嫌いなんだけどね」


「結局おまえ、『CARCASS』嫌いなんじゃないの?」


「いやぁ好き、好きだよぉ。ビル・スティアーのギターもケン・オーエンの下手っぴブラストも好きだよ。ただ一つ嫌いなのが、マイケル・アモットの存在」


「別に嫌いなら嫌いで聞かなきゃいいだけなんだから、そこまで悪口言うなよ」


「だってさぁ、デス聞いたことない人が『さぁデス聞いてみよう』って思ってネットで調べたりするじゃん。そしたら絶対『CARCASS』の名前を見ることになるわけでさ、それで『heartwork』とか『swansong』引いたらどうするのよ」


「どうするって、別にいいじゃんか」


「いくないよ。『あぁー、デスってこういうのか』って勘違いしちゃうだろ。デスメタラーったらカンニとか聞くの! デス=フロリダ! フロリダ産デスにリスペクト示さないデスなんてデスじゃないの! ブルータリティがなきゃデスじゃないの! デス声とブラストがあればデスってわけじゃないの! もともと暴力性の塊みたいな音楽だったデスにメロディなんて安っぽいもの突っ込んでメロデスとか言って、そりゃ北欧流のジョークか? カンニ2兆回聞いて出直して来いって感じだボエボエ」


「暴力性の塊だったから聞きづらかったわけで、それを聞きやすい形にしたのがメロデスじゃないかな。それはそれで音楽的に進化と言えるんじゃないの?」


「聞きづらいなら聞かなきゃいいじゃん」


「それは乱暴だろ」


「聞きたいなら受け入れろよ。自分の好みに変換されてないと聞けないなら片足でも突っ込むなバカッ! だいたいデスから暴力性取っ払うって、パンクからアティテュード取っ払うようなもんじゃん。存在意義に関わる問題だボエボエ」


「いや、取っ払うんじゃなくて、わかりやすいレベルまで薄めてだな・・・」


「一緒だ。それと、そんなものは進化じゃない、退化だ。ロックが迎合してジャンル作るなんて堕落もいいとこだろボエ」


「堕落とまで言うか」


「もた子はとにかく反メロ派だかんね。もた子の知らないとこでゴチャゴチャやってるだけなら口も出さないけど、それが自分の好きな音楽にまで関わってきたら全力でNOと言うよ。逝ってヨシ!」


「で、『CARCASS』については結局どうなんだ」


「2ndがいい。リヴァプールの残虐王の名に恥じぬブルータルサウンド。とにかくこれ。『CARCASS』はこれだけでいい。お金あったら1stも買って、あとは知らん顔してればいいよ」


「知らん顔かよ。じゃ、グラインドとかデスが好きな人は2ndまで買って、メロディ好きな人は4thと5th買って、どっちも好きな人は全部買えばいいんだな」


「それでいいんじゃないの? もた子は2ndを押すけどね」


「1stと2ndがグラインド/デスメタル、3rdがデスにクサくないメロディ、4thと5thがクサクサ系メロデスってことで合ってる?」


「うん、合ってると思うよ」


「この中から、自分の好きそうなの選んで買えばいいんだな」


「でも、『CARCASSいいよね! スワンソング!』とか言われたら、もた子はちゃぶ台ひっくり返すけどね。『CARCASS』はそんなもん出してねー!」


「だから出してるってば!」


「だしてないよぉ〜」


「子供になるな!」


「同名の別バンドだよぉ〜」


「違うよ!」


「カルカスってバンドだよぉ〜」


「なんだその『HONGDA』みたいなバンドは」


「メアリー・スチュアートの家来で、チェーンネックデスマッチのあの人だよぉ〜」


「そりゃタルカスだ!」


「デスの未来へこれを持って行け! PLUCK(勇気をッ!)」


「いい加減にしろ!」


「安いメロディに負けぬ、勇気をッ!」