TSUYOSHIの読書日記



1999年5月25日
菊とバット
Robert Whiting著 松井みどり訳

 この本,以前からいつかは読もう読もうと思っていた.なにせ,日本にやってくる 外国人選手たちのバイブルともなっているそうなのである.事実,日本人の自分から 見ても非常に興味深い内容となっている.
 この本が実際に書かれたのは1977年であり,現在の状況とは異なっているかも知れ ないが,今読んでいても飽きないのだ.当然,登場してくる選手たちは私が幼きころ か,あるいはまだ生まれる以前に活躍していた選手ばかりだ.しかし,それでもプロ 野球を知るにつれてそれなりの知識は得ていたつもりだ.それ故に,私なりの読みこ なしが出来たのではないかと思っている.

 しかし驚くのは,日本のプロ野球とアメリカのメジャーリーグの実力の違いである. 折しも9連覇を成し遂げている真っ只中にいたジャイアンツが,メジャーリーグから やって来たオリオールズに全く歯がたたないのである.大人と子ども,いや赤子をひ ねるように完膚なきまでに敗戦を重ねていっている様は,「真のワールドシリーズを」 と有頂天になっていた日本人とプロ野球関係者に,メジャーリーグが強烈なパンチを くらわしたようだ.
 ちょうどこの当時,ジャイアンツと日本シリーズを戦っていた南海のキャッチャー であった野村克也現阪神監督が,この光景をどのように見ていたのであろうか.昨年, 野村監督がフジテレビの番組に出演したときに,「最近,メジャーのレベルが低くな ってきている」とか,水野元投手がメジャーにテストを受けにいくのに対して「我々 の夢を壊さないでくれよ」(水野元投手がこの言葉の意味を理解したかどうかは不明だ が・・・)と皮肉たっぷりに話していたのは,これが野村監督の本音だったのだろうと 思う.

 しかし,いつかは「真のワールドシリーズを」と思っているのは,当時の人々,特 に正力オーナーだけではなく,現在の日本人にもその気持はあるに違いない,と私は 思いたい.これは,私自身の思いでもあるからである.

 しかしまぁなんですなぁ,この本にでてくるチームとは,もう殆どがジャイアンツ で,他の11球団(消滅した球団もあるからそれ以上か・・・)はものの見事に滅多に登 場しない.まったく・・・,これだからなぁ〜.これでいいのかよう,と感じたのも 率直な感想であった.




トップページへ