TSUYOSHIの読書日記



2002年1月27日
神戸殺人事件
内田康夫著

 この作品は、内田作品の中でも特に優れた1本に入るのではないか と思います。読んでいて、本当に面白かった。随所に、クスッと笑える ところがあったからです。

 例えば、いつものごとく、浅見が刑事局長の弟かもしれない、という ことを感じ刑事たちが取調室を飛び出していったときの記述、

 三好も上山を追って、取調室を出て行った。あとには殺人事件の容疑 者が一人、ポツンと取り残された。
当然、「殺人事件の容疑者」とは浅見のことなんだけど、ホントに階級 社会の狼狽ぶりが愉快に書かれていて、この一文を何度も読み返しては クスクスッと笑ってしまった。
 他には、追われている女性に助けを求められて、警邏中の警官が気づ かず立ち去ろうとしたとき、追ってきた男たちの前で突然、浅見が突然 女性の首をしめて「キャー」と叫ばせた。これを聞いた警官が近寄って きたのをうけて、追ってきた男たちが立ち去った場面で、警官に「何を していたんだ?」と聞かれて、
 「この女性の首を絞めていたところです」
と答えた浅見。おかしい(^^;;
 と、まぁ、本題とは違うところで笑わせてもらいました(笑)

 さてさて、作品自体は最初に書いた通り、非常によくできていて、私 が言うのもおこがましいですが、秀逸だと思いました。自作解説に著者 自身が書いているように、自信作だったようですね。その自己評価に私 も全く同意しますよ、これは。


神戸殺人事件 (1993)
内田康夫著
光文社文庫
ISBN 4-334-71707-1


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