TSUYOSHIの読書日記



2002年3月22日
拓銀はなぜ消滅したか
北海道新聞社編

 1997年11月17日、拓銀は破綻した。日本で初めての都市銀行の破綻である。1998年11月16日、北海道では地元の地方銀行・北洋銀行に、また、本州では中央信託銀行にそれぞれ営業が譲渡された。ここに、1900年に国策銀行として開業した北海道拓殖銀行は消滅した。

 破綻の原因は、バブル時代に次から次へと巨額の融資を行ったあげく、不良債権となり、資金繰りが悪化したことである。
 今書いていて思ったが、不良債権の処理は一向に進まない。今は 2002年で拓銀の破綻からすでに4年以上が過ぎているにもかかわらず、いまだに不良債権をどうするかと議論している。おいおい、今まで何やってたんだと、つい思ってしまう。

 投資は期待収益とリスクを十分に審査し、その上で資金を提供するのが、”投資”であるはずだ。この本を読んでいて思ったが、バブル時代に”投資”と呼んでいた貸出も、実は投資でもなんでもなく、単なるギャンブルだったのではないか。これは、大和銀行ニューヨーク支店でのあの事件とも、相通じるところがあるように思う。

 北洋銀行の頭取に拓銀の営業譲渡の話が持ちかけられたのは、1997年11月15日。つまり、破綻のわずか二日前のこと。預金量にして拓銀の4分の1しかない北洋銀行が、都市銀行を飲み込むことになる。当然、大きなリスクが伴うが、しかし、断ればこれまで拓銀が交渉を続けてきている北海道銀行が受け入れ、一気に地域一の銀行になるのが予想される。そんな中で、わずか数時間のうちに、北洋銀行は決断し、営業譲渡を受け入れている。まさに、金融ビッグバンの時代にあっては、経営者はいつ即断即決を求められ、またそれが必要であるかをひしひしと感じる。

 本書は、非常によく取材されていて、北海道新聞社あげての記事だったのではないかと想像する。久しぶりに読み応えのあるノンフィクションに出会ったと思える本であった。


拓銀はなぜ消滅したか (1999)
北海道新聞社編
北海道新聞社
ISBN 4-89453-004-X


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