TSUYOSHIの読書日記



1999年10月3日
投球論
川口和久著

 おもしろい
 こんな面白い本よくぞ出版してくれた.そしてよくぞ書いてくれた.
 川口和久さんといえば,広島東洋カープで14年,その後FAで読売ジャイアンツに移 籍して4年,プロ野球の投手として活躍した選手です.その18年間の現役生活で経験 したプロのピッチャーとして最も必要とされる意識とはどういうものなのか,そして 彼自身がずっと変わらず続けてきたピッチングの組み立てとはどういうものだったの か,ということなどが書かれています.

 しかし,やはり私が最も興味をもったのは,広島東洋カープと読売ジャイアンツと いう球団がもつ特徴にありました.ちょっと引用すると,
練習で「自主性」を打ち出す巨人と、普段の生活で「自主性」を考慮す る広島。その反対がいずれも厳しいわけですから、これほど両極端なチームはありま せん。
つまり,広島の練習は非常にハードなものであるが,試合で結果を残せば日常の生活 にはあまり口を出さず本人の自主性を尊重する.逆に巨人は,一応全体での練習はす るが基本的には本人の自主性に任せるが,日常の生活に関しては非常に規律が厳しい. いやまさに両極端ですなぁ.巨人のこの方針について川口さんは,
極端に言えば、巨人というのは、選手を育てていこうというチームでは ないんですよ。スター選手が集まって、優勝に向けてとにかく力を出そうというチー ム。その環境を首脳陣やフロントが作ってあげているのが巨人というチームなんです 。
日頃広島の野球に馴れ親しんでいる私にしてみれば,まさに「うぉー」と目から鱗が 落ちる思いでした.そうか,そうだったのか.なるほど,こうみると,確かに巨人の 姿勢は一貫していると思える.そしてさらに,
広島の選手はそれほどのエリートではないし、でもそこから這い上がり たいという気持を持っています。そこでひとつの壁を乗り越えるために練習で力を培 っていくわけです。生まれついてのエリートやスター選手と、這い上がってレギュラ ーを勝ち取っていった選手の違い。巨人と広島は根本からいって全く違う種類の選手 を集めたチームなんだと思います。
ときては,「ほぅー」としかいえませんなぁ.よくぞここまで,両球団の違いをコン パクトにまとめてくれた,もう嬉しくて仕方ありません.これでまた,プロ野球を観 戦する視点がひとつ増えました.

ちょっと引用が多くなったけど,許してね♪講談社さん.

買って損はしない本です.おすすめです.




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