解説:単段冷凍サイクル

冷凍機は、液冷媒の蒸発潜熱を利用して被冷却物を冷却している。継続して液冷媒が供給される必要があり、被冷却物から奪った熱で蒸発した蒸気冷媒を液冷媒に再生するすることで経済的に液冷媒を供給する仕組みが冷凍装置である。
蒸気を液に戻すために加圧し冷却水か冷却空気温度より昇温させる必要があり、圧縮機で蒸発圧力から凝縮圧力まで圧縮する。p-h線図上では点1〜点2で等エントロピ線に並行に(断熱圧縮と呼ぶ)描く。実運転では、圧縮効率の影響で点2は右側にある。
圧縮機を吐出した高温高圧の冷媒蒸気(点2)が凝縮器の導かれ、吐出温度から凝縮温度まで冷却され、さらに、凝縮温度で凝縮が進み飽和液に達する(点4)。点4から点5を過冷却度と呼び、凝縮器及び受液器で冷却される。
点5は、必ず液冷媒でなければならない。点5〜点6が膨張弁内の変化で凝縮圧力から蒸発圧力まで減圧する。この間の熱に出入りはない。
点6が蒸発器入り口で、湿り蒸気の状態である。被冷却物から(h1−h6)の熱を奪って蒸気冷媒なり点1に戻る。
(h2−h4)を”凝縮熱量 kJ/kg”、(h6−h1)を”冷凍効果 kJ/kg”、(h1−h2)を”圧縮仕事量 kJ/kg”と呼ぶ。
圧縮機のピストンの数、ピストン径、ピストン回転数から計算される量を”ピストン押しのけ量 V m3/h”という。熱量計算には、容積ではなく質量にする必要がある。その為に、圧縮機吸入口(点1)の比体積で割って”冷媒循環量 G kg/h”にする。
冷凍能力は、凝縮熱量( kJ/kg)×冷媒循環量 ( kg/h)、凝縮能力は、凝縮熱量( kJ/kg)×凝縮熱量 (kJ/kg)で求められる。
凝縮器には、凝縮熱量(冷凍効果+圧縮仕事量)を冷媒から排除し点5に戻すために、水を使う”水冷凝縮器”と、大気で冷却する”空冷凝縮器”、水の蒸発潜熱を利用する”蒸発式凝縮器”がある。
水冷凝縮器では、冷却水の平均温度+5〜10℃が凝縮温度、空冷凝縮器では外気温度+15〜20℃が凝縮温度となる。
冷却水量は、凝縮熱量/水の比熱(4.187 kJ/kg・K)×(凝縮器出口温度ー凝縮器入り口温度=5℃)(自然水では温度差を大きく出来る)を標準にして、水量を求める。
空冷の場合は、凝縮熱量/空気の比熱(1.006 kJ/kg・K)×(凝縮器吹出し空気温度ー外気温度)で風量を求める。
水資源保護のために、冷却塔を使うが、冷却塔は”アプローチ=5℃”、”クーリングレンジ=5℃”が標準であるので、冷却水温度は外気湿球温度+5℃が冷却水温度となる。
凝縮圧力は、凝縮温度で決まり、蒸発圧力は、被冷却物の冷却温度ー(5〜10℃)で決まる。
凝縮圧力/蒸発圧力を圧縮比と呼ぶ。
膨張弁は、@凝縮圧力から蒸発圧力まで減圧する作用と、A蒸発温度+過熱度(5〜7℃)を保つように弁を調節して冷媒循環量を調整している。冷凍負荷が減少すると、蒸発量が減少し過熱度が小さくなり、負荷が増加すれば過熱度が大きくなるので、負荷の減少施膨張弁は閉まり、負荷増加で弁が開く。
毛細管(キャピラリーチューブ)は、極めて経済的な膨張弁であるが、負荷変動に激しい装置には不向きである。